金沢と京都。伝承技術の融合
加賀百万石藩主・前田利家の庇護のもと、16世紀末には既に城下町・金沢で箔打ちが行われていたようです。江戸末期に初の箔の細工場が作られると次第に興隆を極め、明治時代には金沢の代表産業にまで成長しました。今日でも国内生産量のうち、金箔は99%、銀箔は100%が金沢産です。
金沢で製造される数々の箔は「金沢箔」として国の数少ない伝統工芸材料に指定されていますが、極めて薄く色艶にすぐれ縁取るように大きい「縁付金箔」の製造技術は今や希少で、次世代へと伝承できるかが緊急の課題となりつつあります。
ゴージャスな織物の代名詞、古都・京都の西陣織。その技術の特徴のひとつが「金銀箔」です。金箔・銀箔を目止めした和紙に“箔押し”し、糸状に細かく裁断加工、糸に撚らずに平箔のまま織物に織り込みます。
手作業の極地と言われる金沢の「縁付金箔」と、京都・西陣織の「金銀箔」の“箔押し”の技術。それぞれの地で研鑽を積む伝統工芸士たちの熟練した高度な技術が、フローリングに新たな世界をもたらしました。
日本の優れた伝統技術を途切れることなく連綿と伝え続けたい、そんなIKUTAとGOLDEN VALORの思いが結実した箔フローリングの誕生です。
伝統工芸士の幾重もの熟練技から生まれる世界一薄く美しい「縁付金箔」。
金沢の「縁付金箔」を、木目を目立たせる浮造り(うづくり)のフローリングに、「金銀箔」の箔押し技術で直接押しました。「縁付金箔」は極薄なので透かすと空気穴があり、天然素材のフローリングに貼っても劣化が少なく、材としても優れています。